数字ではなく、時系列で。
財政を体感的に理解する。
財務省『日本の財政関係資料 令和7年10月』をもとに、 スライダー・クイズ・シミュレーターで日本の財政を体感する5つの解説。
スライダー・クイズ・シミュレーター
財務省・IMF・OECD ほか
国債・歳出・国際比較
01 — BOND BALANCE TIMELINE
動かして実感する。
60年で積み上がった1,129兆円。
下のスライダーを左右に動かすと、その年の国債の変化を確認できる。
年次を追うことで、日本国債がどのように積み上がってきたのかを、直感的に体感しよう!
その額は、私たちの親世代や祖父母世代の時代を通じて積み上がり、1965年比で1,000倍以上に達しています。
そして、その先の負担を担うのは、私たち若者世代であり、これからを生きる将来世代です。
数字を動かしながら、その長い時間の積み重なりを体感してみてください。
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.5「普通国債残高の累増」
02 — PERCEPTION GAP QUIZ
まず、あなたが答えてください。
まずは直感で答えてみてください。
財政改革が進まない真の原因は経済学者と一般国民との間にある認識のズレにあります。
回答した後、なぜそのズレが生じるのか、その詳しい背景をご覧ください。
Q. 日本の財政赤字の「主な原因」は、次のうちどれだと思いますか?
— 経済学者と国民、ここまで違う
東京財団政策研究所 2023年調査:同じ質問への「専門家」と「国民」の回答分布
出典:東京財団政策研究所「財政に対する国民と経済学者の意識調査」(2023年)/財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月)
03 — EXPENDITURE BREAKDOWN
115.2兆円の行き先を、
クリックして確かめる。
グラフの各項目をクリックすると、その分野の金額・割合・トレンド・財フロ視点の解説が右に表示されます。「一般会計の3分の1が社会保障」の意味を、数字ではなく構造として理解してください。
一般会計歳出 総額 115.2兆円(令和7年度予算)
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.4「令和7年度一般会計予算 歳出内訳」
04 — INTERNATIONAL COMPARISON
世界の中で、
日本はどこにいる?
「借金の大きさ」「毎年の赤字」「国民の負担率」——3つの視点を切り替えて、日本の立ち位置を見てください。同じ「財政」でも、指標を変えると景色が変わります。
政府債務残高対GDP比(2025年推計・主要国)
172位 / 172ヵ国中日本は世界最悪水準。IMF『World Economic Outlook』(2025年4月)で確認された順位。
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.10(国民負担率)/P.13(財政収支)/P.15(債務残高対GDP比)
05 — 2040 SOCIAL SECURITY SIMULATOR
スライダーを動かして、
2040年を予測する。
ここは、「もし〇〇だったら、2040年の社会保障費はいくらになるか」をあなた自身が試せるシミュレーターです。医療・介護・年金など社会保障の給付総額は2023年で135.5兆円、2025年予算で140.7兆円。現状のままなら2040年には約190〜200兆円に達すると見込まれています。
2本のスライダーを動かすと、右の折れ線グラフの赤い点線と中央の「2040年推計」の数字がリアルタイムに変化します。「給付を10%下げたら」「高齢化が加速したら」——自分の仮説を数字で確かめてください。
① 給付水準を動かす(医療・年金等の支給を減らす/増やす)
② 高齢化の進み方を動かす(人口推計の前提を変える)
③ 右の数字とグラフが即座に更新されます
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.27〜30「社会保障分野」/厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(2018年)に基づく独自シミュレーション
STAGE 01 / 02 CLEARED
「財政の現状」の輪郭は、つかめましたか。
ここから先は、「なぜ動かないのか」を構造で読み解く中級編。
プライマリーバランス、国民負担率、累増の要因分解、人口構造——財政議論で必ず出てくる5つの論点を、もう一段深く触ってみてください。
α教材を表示中
下に5つの中級セクションが追加されました。
α01 — PRIMARY BALANCE STRUCTURE
「PB黒字化」が何を意味するか、
3つの状態で見比べる。
「プライマリーバランス(PB)」は、ニュースで頻出するけれど直感では掴みにくい概念です。
下のボタンで「現状」「PB均衡」「財政収支均衡」の3状態を切り替え、
歳出と歳入の構造がどう変わるかを目で確かめてください。
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.20「財政健全化目標に用いられるストック・フロー指標の関係」
α02 — TRUE BURDEN RATE
「日本は税金が高い」
——本当にそうか。
国際比較すると、日本の国民負担率はOECDで低位。けれど「払っていないだけで、足りない分は借金で穴埋めしている」のが実態です。
下のタブを切り替え、「見える負担」と「見えない負担(=財政赤字)」を合わせた潜在的国民負担率で日本を見てください。
国民負担率(対国民所得比・2022年)
税金と社会保険料の合計が国民所得の何%を占めるかを示す指標。
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.10「国民負担率の国際比較」
α03 — 4 PROBLEMS OF DEBT DEPENDENCE
「借金してでも回す」が
引き起こす4つの歪み。
公債依存の問題は「将来世代が大変」だけではありません。
財務省は4つの構造的問題として整理しています。
カードをクリックして、それぞれの中身を確かめてください。
受益と負担のアンバランス
- 社会保障関係費の増大に見合う税収が確保できておらず、給付と負担のバランスが不均衡。
- 制度の持続可能性を確保できていない。
- 緩い財政規律のもと、「中長期の経済成長や将来世代の受益に資するか」のチェックが甘くなりやすい。
望ましくない再分配
- 将来世代のうち国債保有層は償還費等を受け取る一方、それ以外の国民は社会保障費抑制や増税で税負担を被る。
- 将来世代は意思決定に関与できなかったことに税負担等を求められ、望ましくない再分配が生じる。
財政の硬直化
- 経済危機時や大規模な自然災害時の機動的な財政上の対応余地が狭められる。
- 政策的経費に占める利払費の比重が増えるほど、新しい政策に回せる原資が減る。
国債・通貨の信認低下リスク
- 国債への信認が失われれば、通貨の信認や金融機関の財務状況にも悪影響が及ぶ。
- 自国通貨建債務でも、海外投資家の保有割合が拡大した日本では資本逃避リスクが存在する(2025年6月末時点で海外保有12.2%)。
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.17「公債依存の問題点」/P.23「我が国の国債の保有及び流通市場の状況」
α04 — DEBT GROWTH DECOMPOSITION
958兆円の増加。
その7割はどこから来た?
平成2年度から令和7年度にかけて、普通国債残高は約958兆円増加しました。「政治の無駄遣い」では説明がつきません。
歳出側・歳入側を要因分解すると、増加額の7割を「2つの要因」が占めます。
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.7「普通国債残高の増加要因」
α05 — POPULATION PYRAMID 1961 / 2025 / 2040
日本のかたちが、
変わっていく80年。
社会保障費の増加は、人口構造の変化が直接の原因です。
団塊の世代が現役世代だった1961年と、後期高齢者になった2025年、そしてさらに15年後の2040年。
3つの「日本のかたち」を切り替えてみてください。
* 2025年:団塊の世代が全員75歳以上に
* 2040年:高齢化率35%・現役世代1.6人で1人を支える時代へ
出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.28「人口構造の変化」/総務省「人口推計」/国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」