04
INTERACTIVE 財政を、データで学ぶ

数字ではなく、時系列で。
財政を体感的に理解する。

令和7年度 · 5 INTERACTIVE SECTIONS

財務省『日本の財政関係資料 令和7年10月』をもとに、 スライダー・クイズ・シミュレーターで日本の財政を体感する5つの解説。

5セクション インタラクティブ解説
スライダー・クイズ・シミュレーター
6機関 データソース
財務省・IMF・OECD ほか
令和7年度 最新版
国債・歳出・国際比較

01 — BOND BALANCE TIMELINE

動かして実感する。
60年で積み上がった1,129兆円

下のスライダーを左右に動かすと、その年の国債の変化を確認できる。
年次を追うことで、日本国債がどのように積み上がってきたのかを、直感的に体感しよう!

2025
令和7年度末見込み
1,129 兆円
1965(昭和40)2025(令和7)
2025
当時の総理大臣:石破茂
令和7年度末で1,129兆円。対GDP比177%。
財フロ視点
1965年に最初の特例公債(赤字国債)が発行されて以来、国債残高は一度も減っていません。
その額は、私たちの親世代や祖父母世代の時代を通じて積み上がり、1965年比で1,000倍以上に達しています。
そして、その先の負担を担うのは、私たち若者世代であり、これからを生きる将来世代です。
数字を動かしながら、その長い時間の積み重なりを体感してみてください。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.5「普通国債残高の累増」

02 — PERCEPTION GAP QUIZ

まず、あなたが答えてください。

まずは直感で答えてみてください。
財政改革が進まない真の原因は経済学者と一般国民との間にある認識のズレにあります。
回答した後、なぜそのズレが生じるのか、その詳しい背景をご覧ください。

Q. 日本の財政赤字の「主な原因」は、次のうちどれだと思いますか?

— 経済学者と国民、ここまで違う

東京財団政策研究所 2023年調査:同じ質問への「専門家」と「国民」の回答分布

経済学者(N=177)
「社会保障費」が主因

社会保障費の増大73%
税収不足14%
経済成長の停滞12%
政治の無駄遣い1%

一般国民(N=1,036)
「政治の無駄遣い」が主因

政治の無駄遣い71%
社会保障費の増大18%
税収不足7%
経済成長の停滞4%
財フロ視点
「政治の無駄遣いを減らせば解決する」——71%の国民がそう信じています。一方、経済学者の73%は「社会保障費の構造問題」を指します。この52ポイントのギャップこそが、日本の財政改革が30年動かない本質的な理由です。正しい診断がなければ、正しい処方箋は書けません。財政教育フロンティアは、このギャップを「教育」で埋めるために活動しています。

出典:東京財団政策研究所「財政に対する国民と経済学者の意識調査」(2023年)/財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月)

03 — EXPENDITURE BREAKDOWN

115.2兆円の行き先を、
クリックして確かめる。

グラフの各項目をクリックすると、その分野の金額・割合・トレンド・財フロ視点の解説が右に表示されます。「一般会計の3分の1が社会保障」の意味を、数字ではなく構造として理解してください。

一般会計歳出 総額 115.2兆円(令和7年度予算)

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.4「令和7年度一般会計予算 歳出内訳」

04 — INTERNATIONAL COMPARISON

世界の中で、
日本はどこにいる

「借金の大きさ」「毎年の赤字」「国民の負担率」——3つの視点を切り替えて、日本の立ち位置を見てください。同じ「財政」でも、指標を変えると景色が変わります。

政府債務残高対GDP比(2025年推計・主要国)

172位 / 172ヵ国中日本は世界最悪水準。IMF『World Economic Outlook』(2025年4月)で確認された順位。

財フロ視点
日本の債務残高はGDPの2.4倍。これは単なる「多い」ではなく、対GDP比で統計が取れる172ヵ国・地域のうち最下位という意味です。「日本の借金は他国にもある」ではなく、「日本だけが突出している」という現実を、まず直視することから議論を始めるべきです。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.10(国民負担率)/P.13(財政収支)/P.15(債務残高対GDP比)

05 — 2040 SOCIAL SECURITY SIMULATOR

スライダーを動かして、
2040年を予測する。

ここは、「もし〇〇だったら、2040年の社会保障費はいくらになるか」をあなた自身が試せるシミュレーターです。医療・介護・年金など社会保障の給付総額は2023年で135.5兆円、2025年予算で140.7兆円。現状のままなら2040年には約190〜200兆円に達すると見込まれています。

2本のスライダーを動かすと、右の折れ線グラフの赤い点線と中央の「2040年推計」の数字がリアルタイムに変化します。「給付を10%下げたら」「高齢化が加速したら」——自分の仮説を数字で確かめてください。

使い方
① 給付水準を動かす(医療・年金等の支給を減らす/増やす)
② 高齢化の進み方を動かす(人口推計の前提を変える)
③ 右の数字とグラフが即座に更新されます
① 給付水準100%
70%=削減/100%=現状維持/130%=拡充。給付を一律で何%に調整するかのイメージ。
② 高齢化の進行速度中位
低位(出生率回復・寿命横ばい)←→ 高位(少子化加速・寿命延伸)。国立社人研の将来推計を前提に補正。
2040年 社会保障給付費 推計
190 兆円
現状(140.7兆円)比 +49.3兆円(+35%)
その差額を消費税で賄うなら、約16%分の追加税率が必要(消費税1%=約3兆円で試算)
財フロ視点
「給付水準を維持するなら、負担を増やす。負担を増やさないなら、給付を減らす」——この単純なトレードオフから逃げ続けた30年が、いまの財政状況を作りました。スライダーを動かすと分かる通り、給付水準を10%下げるだけでも2040年の姿は大きく変わります。「先送り」もひとつの選択ですが、払うのは将来世代です。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.27〜30「社会保障分野」/厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(2018年)に基づく独自シミュレーション

STAGE 01 / 02 CLEARED

「財政の現状」の輪郭は、つかめましたか。

ここから先は、「なぜ動かないのか」を構造で読み解く中級編。
プライマリーバランス、国民負担率、累増の要因分解、人口構造——財政議論で必ず出てくる5つの論点を、もう一段深く触ってみてください。

中級者向け · 5 SECTIONS · 推定 15 分

α教材を表示中

下に5つの中級セクションが追加されました。

+α 中級教材

数字の「構造」を読む。

財政赤字を「金額の話」で終わらせず、
制度・人口・指標の関係性として理解する5本。

α01 — PRIMARY BALANCE STRUCTURE

「PB黒字化」が何を意味するか、
3つの状態で見比べる。

「プライマリーバランス(PB)」は、ニュースで頻出するけれど直感では掴みにくい概念です。
下のボタンで「現状」「PB均衡」「財政収支均衡」の3状態を切り替え、
歳出と歳入の構造がどう変わるかを目で確かめてください。

歳入
歳出
※ 構造をわかりやすく示すための概念図(金額は令和7年度予算ベースの簡略値)
財フロ視点
「PB黒字化」は過去の借金は減らさないけれど、新たに行政サービスのために借金しない状態です。一段階上の「財政収支均衡」までいって、はじめて借金残高そのものが減り始めます。日本が30年間目標にしているのはまだ中段。議論されている健全化は、ゴールではなくスタートラインです。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.20「財政健全化目標に用いられるストック・フロー指標の関係」

α02 — TRUE BURDEN RATE

「日本は税金が高い」
——本当にそうか。

国際比較すると、日本の国民負担率はOECDで低位。けれど「払っていないだけで、足りない分は借金で穴埋めしている」のが実態です。
下のタブを切り替え、「見える負担」と「見えない負担(=財政赤字)」を合わせた潜在的国民負担率で日本を見てください。

国民負担率(対国民所得比・2022年)

税金と社会保険料の合計が国民所得の何%を占めるかを示す指標。

日本の値
46.2%
OECD加盟国の中でも低水準。北欧諸国は60〜70%超。
財フロ視点
「税金は安いが、サービスは欧州並み」——その差を埋めているのが国債(借金)です。負担率タブを切り替えると、日本だけ8ポイント以上跳ね上がります。それは「払っていない8ポイント分を、将来世代に請求書を回している」ということ。「税金が安い国」というイメージは、実態ではなく構造のごまかしの上に成り立っています。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.10「国民負担率の国際比較」

α03 — 4 PROBLEMS OF DEBT DEPENDENCE

「借金してでも回す」が
引き起こす4つの歪み

公債依存の問題は「将来世代が大変」だけではありません。
財務省は4つの構造的問題として整理しています。
カードをクリックして、それぞれの中身を確かめてください。

01

受益と負担のアンバランス

いま受けるサービスを、未来の人に支払わせる構造。
  • 社会保障関係費の増大に見合う税収が確保できておらず、給付と負担のバランスが不均衡。
  • 制度の持続可能性を確保できていない。
  • 緩い財政規律のもと、「中長期の経済成長や将来世代の受益に資するか」のチェックが甘くなりやすい。
02

望ましくない再分配

国債を持っている人と持っていない人で、未来の負担が変わる。
  • 将来世代のうち国債保有層は償還費等を受け取る一方、それ以外の国民は社会保障費抑制や増税で税負担を被る。
  • 将来世代は意思決定に関与できなかったことに税負担等を求められ、望ましくない再分配が生じる。
03

財政の硬直化

いざという時に動かせる余地が、削られていく。
  • 経済危機時や大規模な自然災害時の機動的な財政上の対応余地が狭められる。
  • 政策的経費に占める利払費の比重が増えるほど、新しい政策に回せる原資が減る。
04

国債・通貨の信認低下リスク

「日本国債は安全」が崩れた時、影響は国境を越える。
  • 国債への信認が失われれば、通貨の信認や金融機関の財務状況にも悪影響が及ぶ。
  • 自国通貨建債務でも、海外投資家の保有割合が拡大した日本では資本逃避リスクが存在する(2025年6月末時点で海外保有12.2%)。
財フロ視点
「借金しても日本国債は安全だから問題ない」という議論は、4つの問題のうち「①受益と負担のアンバランス」「②望ましくない再分配」を意図的に脇に置いています。これは「制度設計上の問題」であって、「市場が問題視するか」とは別の論点です。市場が静かでも、世代間の不公平は確実に進行しています。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.17「公債依存の問題点」/P.23「我が国の国債の保有及び流通市場の状況」

α04 — DEBT GROWTH DECOMPOSITION

958兆円の増加。
その7割はどこから来た?

平成2年度から令和7年度にかけて、普通国債残高は約958兆円増加しました。「政治の無駄遣い」では説明がつきません。
歳出側・歳入側を要因分解すると、増加額の7割を「2つの要因」が占めます。

958兆円
平成2 → 令和7 / 普通国債残高の増加
社会保障関係費の増加+494兆円
税収減(減税・景気悪化)+140兆円
地方交付税交付金等+93兆円
公共事業関係費+70兆円
その他歳出+78兆円
収支差分(複利的影響)+99兆円
その他要因(国鉄債務承継等)+87兆円
社会保障494+税収減140 = 634兆円 全体の約66%がこの2要因。
財フロ視点
グラフは「赤字の主因が政治の無駄遣いではない」ことを示しています。社会保障費の自然増(+494兆円)に税収減(+140兆円)が重なり、その穴を埋めるために借金が膨らみました。「歳出の見直し」を否定する話ではありませんが、主因にメスを入れない限り、根治には至りません。これがα02の「真の負担」と地続きの構造です。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.7「普通国債残高の増加要因」

α05 — POPULATION PYRAMID 1961 / 2025 / 2040

日本のかたちが、
変わっていく80年。

社会保障費の増加は、人口構造の変化が直接の原因です。
団塊の世代が現役世代だった1961年と、後期高齢者になった2025年、そしてさらに15年後の2040年。
3つの「日本のかたち」を切り替えてみてください。

* 1961年:戦後復興期の典型ピラミッド型
* 2025年:団塊の世代が全員75歳以上に
* 2040年:高齢化率35%・現役世代1.6人で1人を支える時代へ
財フロ視点
「高齢化が進む」という言葉は耳タコでも、形の変化を見ると衝撃です。1961年のピラミッドは「働き手が高齢者の数倍いる」状態。2040年は「働き手より高齢者が多い県」が珍しくなくなる時代。社会保障の担い手と受け手の比率が崩れる中、同じ制度のまま走ることがそもそも不可能だと、形が教えてくれます。

出典:財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月) P.28「人口構造の変化」/総務省「人口推計」/国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」

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次は動かす側へ。

財政教育フロンティアは、この認識ギャップを「教育」で埋め、国会議員19名・財務省への提言として政策化するまでを自分たちの手で行っている学生団体です。

DATA SOURCES / 出典

  • 財務省『日本の財政関係資料』(令和7年10月)
  • IMF『World Economic Outlook』(2025年4月)
  • OECD『Economic Outlook 117』(2025年6月)
  • 東京財団政策研究所「財政に対する国民と経済学者の意識調査」(2023年)
  • 厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(2018年)
  • 内閣府「国民経済計算」/「中長期の経済財政に関する試算」(令和7年8月7日)

※ 本ページの数値は出典資料に基づき、
 シミュレーションは一定の仮定に基づく試算値です。